企業事例・インタビュー

世界中でエンゲージメントカードを活用!グローバルな課題解決に向けて取り組むJICA様にインタビュー

JICA(国際協力機構)は、日本の政府開発援助(ODA)を担う機関として、開発途上国の経済社会発展を支援し、グローバルな課題解決に向けて多様なプロジェクトを展開しています。そのため、多くのスタッフが日本国内外の様々な拠点で働いています。

その中で、JICAが世界中で活用くださっている「エンゲージメントカード」についてインタビューさせていただきました。

エンゲージメントカードの導入

JICAは東京の本部の他、日本国内に14、世界中に96の拠点(※令和6年4月1日現在)が存在し、様々なスタッフが働いています。1つの職場での任期が約2-3年であることから、チーム編成のローテーションが非常に早い状況です。また海外拠点では現地雇用のスタッフと共に働くため、言語も文化も異なるチームが生まれます。

そのため、業務を円滑に進めるためにはチームワークが必要不可欠であり、どのようにそれぞれの拠点でコミュニケーションの質を向上させるかが求められていました。

エンゲージメントカードの選定

そこで、JICAでは職員研修に詳しい方からエンゲージメントカードを勧められ、一度導入してみることとなりました。

チームビルディングの方法は各拠点・各部署に一任しているため、JICA人事部ではエンゲージメントカードとその使い方を合わせて紹介し、希望に応じ各拠点へカードを貸し出しています

各チームでの取り組みは社内の情報共有サイトにアップされるため、エンゲージメントカードを活用した事例を見た他の拠点が更にエンゲージメントカードを希望するなど、少しずつ活用される範囲が広がっていき、今では東京の本部や国内拠点以外にも、海外ではタンザニアやパラオ、パナマ、カンボジア、モンゴル、ヨルダンなど、現在約20拠点でチームビルディングに使われています。

2023年は世界中で約100回以上エンゲージメントカードが使用され、2024年は9月時点で既に90回以上も活用いただいています。

世界各地での活用事例

【モンゴル事務所】

▼実施背景・概要
新メンバーが着任した際に活用。
モンゴル事務所はフリーアドレス制を導入しており、メンバーと固まってゆっくり話す機会が少ないため、個人の価値観共有ワークを通しチームビルディングに活用しました。

▼実施後の感想

・カードを引く順番を決める際に、「モンゴルではこういうゲームをするときはジャンケンではなく若い人からなんだよ」と現地スタッフに教えてもらうところから始まりました。大事にする価値観の説明の中でも、「富」は金銭的な富だけでなく自然も「富」という考え方を教えてもらったり、ワークを通して日本とモンゴルの文化の違いを理解する機会にもなりました。

・また、それぞれのプライベートのお話など、業務をするだけではなかなか知り得ない情報共有もできて参加者一同楽しんで取り組めました。

※現地の様子

【パラオ事務所】

▼実施背景・概要
パラオ事務所では、オンボーディング・チームビルディングの一環として個人の価値観共有を事務所全員で30分×2セッションに分けて実施。

それぞれのグループは日本人と現地メンバーをバランス良く人数分けし、他のグループの人がどんなカードを選んだかがわかるようにセッション後の写真を撮り、事務所メンバーの内で共有しました。

▼実施後の感想

・他の参加者の価値観を聞くのはもちろん興味深かったが、自分の価値観について異なる文化の人にも伝わるよう言語化するという貴重なトレーニングでもあり、事前には予想していなかったがいい刺激になりました。

・This is perfect when we receive new staff. Also, for getting to know other coworkers who keep to themselves or we don’t have much engagement with. I personally learned more about myself, putting words into what I value. We don’t normally think about these.

(これは、新しいスタッフを受け入れるときに最適です。また、自分のことをあまり言わない同僚や、あまり関わりのない同僚と知り合うためにも有効です。私たちは普段このようなことについて考えないため、私自身、自分が大切にしているものを言葉にすることで、自分自身についてさらに学ぶことができました。)

・カードゲームを始める前はどんな種類の価値観カードがあるのか楽しみ半分、不安半分でしたが、やってみると思った以上に自分の中で優先順位をつけることが難しい価値観もありました。
他のメンバーがカードを捨てる際も、悩んでいる姿やすっぱり手放している姿を見て、「なるほどー」「やっぱり」などと思うところがあり、興味深かったです。
最後に残したカードをみるとその人を表しているな。と、納得するものも多かったです。

※現地の様子

【本部(日本:東京)】

▼実施背景・概要
課のメンバーでK P Iを検討するセッションの前に場を温めるため、エンゲージメントカードを活用。
個人の価値観共有に加え、他者がメンバーそれぞれにどんなイメージを持っているかカードを選んでいただく他己分析にも活用。自分のイメージのカードを選ばれるシーンはドキドキしましたが、それぞれが普段から抱いているその人の人柄のイメージに近いカードが集まっていたように思います。

▼実施後の感想

・エンゲージメントカードの使用後、リラックスした雰囲気で本題のK P I検討の議論に入り、濃厚なチーム強化の時間を過ごすことができました。

・メンバーの内面を知るきっかけになりました。このゲームを一緒にプレイしたことで今後会話の糸口が増えそうだと感じています。特に業務面で関わりが少ない方について相互理解を深める機会として良い時間でした。短い時間でもできるし、じっくり話を聞きながら進めることもできるので、どんなシチュエーションでも活用できそうです。

・前回実施した際は「「愛」のカードは要らない(解釈によっては捨てられる)」と言っていたメンバーが、今回は「愛」のカードを最後まで残すなど、配るカードの巡り合わせが違うことで結果も変わってくる一面が見え、とても興味深かったです。他己分析でも新しい自分を知るきっかけとなり、まさにエンゲージメントカードは「ジョハリの窓」の実践にもなると思いました!何度でもやりたいです。

※ワークの様子

最後に

エンゲージメントカードの導入後、JICA内部からは多くのポジティブなフィードバックが寄せられました。海外拠点では日本人スタッフと現地スタッフが一緒に働くチームにおいて、エンゲージメントカードを用いたチームビルディングが行われ、カードを使うことでお互いの文化を含めた相互理解を深めることができたと嬉しい感想をいただきました。

今後、海外に向けた言語対応など、さらなるグローバルでの活用に向けてサービスを拡充し、エンゲージメントカードを通じた組織の成長と発展の一助になれればと思います。
この度は貴重なお話をいただきありがとうございました。

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