こんにちは。トリプルバリューの本間です。
この記事では、エンゲージメントカードをプレイした方々にエンゲージメントカードを利用して良かった点やプレイしたエピソードなどをまとめています。
今回のゲストはあひるさんこと高尾弥生さんです!
本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
高尾 弥生 様 プロフィール
- ●「一般社団法人あひる」代表
●小学校教諭1級普通免許
●笑下村塾 SDGsファシリテーター
●SDGs for school 認定エデュケーター(アースコミュニケーター)
●認定ポジティブ心理カウンセラー(Basic)
●日本即興コメディ協会認定 心理的安全性アンバサダー
●ブレインアナリストPRO・マリッジブレインアナリスト(一般社団法人ブレインアナリスト協会)
●脳大成理論(脳科学、量子物理学、心理学、哲学などを統合した学問)インストラクター
●kindle出版プロデューサー
●「人生100年時代」学び続ける大人になるために大切なこと
●「情報過多の時代」学びの本当の理由をみつけること
●「学びの形が変化する時代」子どもたちに伝えたいこと
そんな方に是非読んでいただきたいです。
①「人生100年時代、学び続ける大人になるために」
本間理央
11月3日(水・祝)に行われた「エンゲージメントカードフェスティバル」の分科会で、「これからの教育、学び続ける大人に」をテーマにファシリテーションをしていただきました。そのときの様子を教えてください。
分科会では「人生100年時代、学び続ける大人になるためにはどうしたらいいのだろう。」という問いかけからスタートしました。
先が見えないものをみつけていく、みつけるためには何が必要か。ということを認識するために、エンゲージメントカードが手助けしてくれるのではないかという期待がありました。
カードワークでは、「自己認識」「誠実」「貢献」「自由」など、見事に皆が異なるカードを選んでいました。参加された方たちが前向きで、主体的に考え、発言してくださったので、私自身も学びとなりました。
人生100年時代を生きる私たちは、常に新しいことを学び、新しいスキルを身につけていく必要があります。
これまでは、過去の経験値で良し悪しを考えることが多かったと思います。しかし、これからはその経験値は活かされないことが多分にあるでしょう。
今、学びの形は変わってきています。
本間理央
高尾さんは28年間、教員をされていましたが、子どもたちの学びも変わってきているのでしょうか?
現在は探究型学習において、自ら課題をみつけ、自ら学ぶ主体性が求められています。しかし、文科省が2002年に総合的学習を取り入れた頃から「学びの形」は変わっていたのです。ただ、大人や教師が追いついていなかったように思います。
私はその当時、総合的学習の取組みを小学校3年生と行いました。
「今日は目が不自由な人にはどんなことが必要かな?目が不自由な人について調べてみよう」というように対象を細かく設定するのではなく、「大阪の人に優しいまちづくりの工夫を調べよう」という社会科の学習の発展編として、一人一人が異なる課題意識を持てるようにしました。
総合的な学習は、色々な教科を超えて調べられるもの、さらにプレゼンも求められるので、国語の要素も入ります。ですから、一人一人がそれぞれに課題があります。クラス30人いたら、30人30様なんです。私は、子どもたちが自分目線で課題を持つことを提供できるように考えていました。探究心があれば学力は自ずとついてきます。それぞれの課題意識から何が生まれ、何に気づくのか。そして、どのように調べ、行動し、伝えていけば良いのか。ということを学んでほしいと思っていました。
本来の総合的学習の目的で取り組むことができたら、子どもたちは自ら課題をみつけ、自然と調べたいことが出てきて、学ぶことができるので、学力は確実に伸びます。そこには数字や文字、化学変化にもつながっていき、探究の仕方を知ることができるからです。
例えば、円周率が「3」だろうが「3.14」だろうが、理屈がわかっていれば、「3.14」だという理由を調べたくなるんです。だから、計算が苦手な子が「算数」を嫌いにならないように、計算は計算機に任せて、「算数」の仕組みを好きになってもらえたらいいわけです。しかし大人たちは、「3」と「3.14」では数値が大きく異なるからだめだという細かいところにバッシングがいくという・・・。
子どもたちはすぐに変わることができます。だけど、すぐ元に戻ることもできる。
担任教諭や家庭環境におけるルールのなかで、良いほうにも悪いほうにも影響されるのです。だから、これからの「風の時代」を生きる子供達のためにも大人が学び続けて成長していかなければならない。
そのような理由から、大人の存在は大切だと思い、私は学校現場を一度飛び出しました(笑)
②「エンゲージメントカードと学びの多様性」
本間理央
「一般社団法人あひる」を設立されたときの大切な想いを教えてください。
想いはたくさんあります!
少し具体的に言うと、AI知能が発達してきた昨今、3年ほど前には、「今、産まれた子どもが大人になったとき、65%が今はない職業につく」と言われていました。それが現在、小学生になった子どもたちが65%が今はない職業につく」と言われています。どんどん時代は急速に変化しているということだと言えます。
ものすごい速度で時代や社会が変化して予測不能になっています。
そんな中で、私は子供たちに「あなたが将来なりたいと思う仕事はないかもよ」なんて悲しいことは言いたくないです。
未来を拓く子どもたちには、色々な働き方や生き方を知ってほしい。
その一つとして、自分のアイデアを特許申請するという方法があることを伝えました。
例えば、主婦の生きる力やアイデアで特許を取り、いくら収入を得ることができたのかということも伝えました。生きるためにはお金も必要なので、自分のアイデアを収入という対価にできるとどんどんやる気も出てくるのではないでしょうか。
また、起業する方法を子どもたちに提案する必要もあると考えました。
2019年1月の終わりにスタートアップウィークエンドという世界各地で起業体験ができ、実際に起業する方のチャンスにつながるような学びの場に参加しました。
そこで得た学びを通して「夢物語プロジェクト授業」をデザインしたことがあります。
内容は、当時5年生の子供たちが、実際に社会情勢や課題を調べて、「この会社ではこのような開発や研究をしているから、提案できるのではないか。」というものを創り出し、コンテストを行いました。
3つのルール「否定しない・可能性を見出す・答えは一つじゃない」を決めて、授業をデザインしました。どんなアイデアも否定せずに、あり得ないことかもしれないけど、あり得るかもしれないという可能性を見出すこと。そして決まった答えは一つではなく、もっと良いものが創れるかもしれないというのが狙いだったからです。
そうすると、たった数回の授業で子どもたちの自己肯定感・自己効力感、つまりは自尊感情が伸びました。
これで私は、子どもは変われるんだということを確信したのです。一方で、学校は、保護者も子供もプレゼンが上手くいったら満足する現場で、ビジネスに繋ぐことは難しいということにも気づかされました。
本間理央
子どもたちが失敗しないように手助けしていることもあるのでしょうか?
そうなんです。いくらでも失敗してもいいのに!
失敗しないと子どもたちが次の課題をみつけられないでしょう。
だけど、大人たちが失敗を恐れて、子どもの発表原稿をつくる現場さえみてきました。
でもそれが、大人がつくった社会・学校現場なんです。
私は子供たちのそんな教育現場を変えていくためには、もっと大人を巻き込まないといけないと思いました。そのために、まず私自身が新しいことを創り出すことを考えました。しかし、副業はできないため、思い切って学校教員を退職することにしたのです。
子どもたちは決められたルールにものるけれど、新しいことにチャレンジすることにもどんどんのれるのです。
あひる寺子屋は、子どもたちのための学び場にしていきたいという想いがあります。
あとは、大人も一緒にワクワクしたいと思っているので、大人も巻き込んだイベントもどんどん取り入れている最中です。
そのようなことから、エンゲージメントカードの分科会では、エンゲージメントカードを使うことで、学び続ける大人が一人でも増え、学ぶことの重要性を考えていただく機会になればと思い、チャレンジさせていただきました。
本間理央
分科会に参加された皆さんはテーマについてカードを選び、その想いをシェアされたと思います。どんなことを感じられましたか?
参加された方の一人が選ばれたカードに「自己認識」とありました。
そのカードを選んだ理由として「あれもこれもやらなければいけないけれど、その前に自分に立ち戻ることはできているだろうか。今置かれている自分ってどうなんだろう、本当に必要なことは何だろうと自問自答して学び続けることが大切。」と仰っていました。
私たちは情報過多の時代に生きています。あれもこれも取り入れていたら、自分がパンクしてしまいますよね。自分の頭の中を整理していかなければ、学びの本当の理由が見つからなくなるかもしれません。
学びの形は多様化されていて、自分で学びの形を選ぶことができるんです。
例えば、小学校5年生の社会科で産業と情報を学びますが、それは3年生と4年生の学びのまとめになります。そこでめちゃくちゃ興味を持って「もっと知りたい!」と思っても、6年生ではその続きはなく、突然、歴史と政治に入るのです。
もちろん、多くのことを学ぶために教科書は必要ですし、教員は授業を通してマネジメントもしていかなければならない。
ですが、子どもが興味ある学びを大人が区切る必要もないのです。
「私は単元のゴールは自分の学びの始まりだ」とよく言っています。
自分の興味で本当にやりたいこと、学びたいこと、大切にしたいことを整理するためにもエンゲージメントカードは有効なのだと感じました。
③「今1枚カードを選ぶとしたら?」
本間理央
今、一枚エンゲージメントカードを選ぶとしたらどのカードを選びますか?
「貢献」です。
一般社団法人を設立しようと決めたときは、自分自身に必要なものとして、「向上心」と「ワクワクした人生」のカードを選んでいました。
今は「あひる寺子屋」が動き出して、子どもやお母さんの悩みを聞いたり、脳傾向性診断テストの分析をきっかけに対話をしながら、自分の強みをどこでどのように発揮するかまでお話しさせていただき、不登校だった子どもが少しずつ変わっていくこともあります。
そのような支援をするなかで、社会貢献していきたいという強い意識に変わっていきました。もちろん、ビジネスとして経営もしていかなければなりませんが、経営と必ず社会貢献を繋げて自分の軸がぶれないようにしたいと思っています。
④「大切にしている価値観を通じてどんな自分で在りたいか」
本間理央
最後にご自身の大切にしている価値観を通してどんな自分になっていきたいかお聞かせください。
私はみんなに自分の可能性を見出してほしいと思っています。
そのために私自身が学び続けていかなければいけないのです。
あひる寺子屋では、学校現場ではできなかったことをやりたいという想いもあります。
私自身がいつも自分の可能性を見出していないと、人は誰もついてきてくれません。
だからこれからも自分自身の可能性を見出すために学び続けます。
なぜなら、その目的と理由は社会貢献のためだからです。
それはブレません。大切にしていきたいと思います。
本間理央
高尾さん、今回はありがとうございます。
これからも『もっとワクワークする世の中』に向けて私たちと一緒に、1人でもワクワークする人を増やしていきましょう!これからもよろしくお願いします!