企業事例・インタビュー

「ヒトラー」と呼ばれた代表が変えた組織風土―研修継続で変わった組織変革ストーリー

株式会社麦飯石の水
代表取締役 伊良波様 / 取締役総務部長 土井様 / 中部地区担当 次長 石川様

【課題】
・従業員の定着率が低く、人材育成が追いつかない
・結果至上主義で、エンゲージメントが低い組織風土

【効果】
・研修の継続により、問題解決・リーダーシップ・目標管理などマネジメントの基礎が定着
・社員の定着率が向上し、紹介採用が半数以上に
・次のステージとして、管理職全員がPL/BSを意識した経営視点を持てる組織を目指す

沖縄県で飲料水の製造販売を手がける株式会社麦飯石の水。約4年にわたり株式会社トリプルバリューの研修を継続されている同社は、かつて代表自らが「ヒトラー」と呼ばれるほど厳しいマネジメントスタイルだった組織から、今や紹介採用が半数を超えるほどの変化を遂げています。その組織変革の軌跡を、代表の伊良波様、取締役の土井様、次長の石川様に伺いました。

トリプルバリューとの出会いと、当時の組織課題

――まず、トリプルバリューとのお付き合いが始まったきっかけを教えてください。

伊良波様:最初の出会いは、約7〜8年前のとある大手のセミナーでした。当時、就業規則や雇用契約書が時代に合っていないという課題があり、山本先生(現トリプルバリュー代表)にご相談したことが始まりです。先生が独立してトリプルバリューを設立されてからは、改めて研修もお願いするようになりました。

――弊社に継続してお願いされている理由はどこにあるのでしょうか?

伊良波様研修ができる、決算書の見方も教えられる、補助金のサポートもできる。経営課題も会社の状況も全て理解した上で、今何が組織に必要かを提案してくれるんです。普通はそれぞれ別の専門家に頼まないといけないところを、一人に任せられる。話がとても早いんです。

――研修を依頼されたとき、組織としてはどんな課題を抱えていましたか?

土井様:一番の課題は、従業員の定着率でした。現在はトリプルバリューさんのエンゲージメントサーベイで定期的に調査も実施していますが、当初は管理職も含めて「どこに課題があるのか」を自分たちで感じ取れていなかったんです。

伊良波様:率直に言うと、当時の私は「ヒトラー」と呼ばれるほど厳しかった(笑)。新規だ、売上だ、利益だ——結果が全てという考え方でした。人を育てることよりも、目の前の数字を追うことを優先していたんです。

最初の半年は「学ぶ姿勢」づくりから

――研修はどのようにスタートしたのでしょうか?

伊良波様:最初の研修対象はマネジメントクラスのメンバーでした。ただ、今まで研修などをあまりやってこなかったこともあり、研修を始める前に「学ぶ習慣」を作ることから半年ほどかかったんです。

――半年も。具体的にはどんなことをされたんですか?

伊良波様:読書感想文の取り組みを始めました。『チーズはどこへ消えた?』などを読んで感想を書いてくる。それだけのことですが、最初は本を読んでこない人がたくさんいて。4人で受けるはずが2人しか来ない、なんてこともありました。

――そこで諦めようとは思わなかったのですか?

伊良波様:それはなかったです。それまでの組織は精神論だけだったんです。「頑張れ、やれ」と。でも山本先生は「どうすればうまくいくか」という方法を教えてくれる。これまでの研修で我々は一つも損したことがないと感じていました。なので、後は受け取る私たちの課題だから、とにかく続けようと思っていました。

4年間で受講した研修プログラム・コンサルティング

麦飯石の水様が4年間で受講された研修は、以下の6つです。各研修が積み重なることで、段階的な組織変革につながっています。

研修・コンサルティング内容
ロジックツリー・PDCA研修問題を要素分解し、PDCAサイクルで改善する思考法
リーダーシップ研修リーダーの役割理解、伝え方・聴き方、信頼関係の構築
ほうれんそう研修報連相の型を使った確実な情報共有と意思決定
KPI研修数字を使った目標設定と、進捗管理の方法
任せる力研修部下への権限委譲と、人を育てるための任せ方
管理会計研修PL/BSの読み方と、経営数字を根拠にした意思決定
カスタマーサポート研修 顧客対応の基本姿勢、コミュニケーションスキル、クレーム対応研修等
その他:エンゲージメントサーベイ導入自社のエンゲージメント調査をし、各部署毎に現場を確認
その他:補助金申請代行サポート沖縄県産業イノベーション促進地域制度、経営力向上計画B類型、先端設備等導入計画の申請と採択

研修を通じて、組織はどう変わったか

――研修を始めてからの4年間で、組織にはどのような変化がありましたか?

伊良波様:大きく変わりました。4年前は、細かく伝えないと動けなかった。でも今は、詳細に指示を出さなくとも、分かってくれるようになりました。

――その変化は、どの研修から始まったと感じていますか?

伊良波様:最初のロジックツリーとPDCAですね。それまでは私からも部下へ出す指示は「頑張れ、やれ」だけだった。でも研修を通じて「問題はどこにある?」「解決策は何か?」と考え、問う習慣ができるようになりました。組織が論理的に動けるようになったのは、ここからだと思います。

――参加者として研修を受けていた石川さんは、どんな変化を感じましたか?

石川様一番大きかったのは、リーダーシップ研修で「伝える力」と「聴く力」を学んだことです。私も「ヒトラーから受け継がれた」という感じで(笑)、以前は怒鳴ったり強い口調で指導していたんです。でも研修で意識が変わってから、部下が怖がらずに話しかけてくれるようになりました。

――研修で学んだことが、現場でどう使われていますか?

石川様:KPIを学んでからは、「頑張ります」という抽象的な言葉がなくなりました。「今月の目標はこの数字で、そのためにこの行動をする」という会話ができるようになったんです。また報連相ができるようになってからは、会議の決定事項が曖昧にならなくなりました。以前は「誰が?いつまでに?」が不明確なまま終わることが多かったので、大きな変化でした。

土井様:私も同じです。今は「責任者は誰か」「目的は何か」「期限はいつか」を必ず確認してから決定するので、「で、誰がやるの?」という場面がなくなりました。


――「任せる力」の研修が、石川さんのエリアを大きく変えたと伺いましたが。

石川様:研修を受けて「私は全部自分でやろうとしているな」と気づいたんです。部下を育てるためには、任せていくことが大事だと学んで。それから部下に「助けてくれ」と言えるようになりました。弱いところも見せるようになったら、チームとして動けるようになったんです。

伊良波様:石川のエリアは、かつて課長すらいなかった人材不足の地域でした。それが今では、どんどん採用が増えて、他のエリアに人材を送り出す拠点になっています。石川が変わることで、部下の店長や主任も変わっていった。上司が輝いていると、「あの人みたいになりたい」と思ってもらえるんですよね。

エンゲージメントサーベイを活用し、変化を「数値」で見える化

――組織の変化を実感されているとのことですが、その変化はどのように把握されているのでしょうか?

伊良波様:2023年秋頃から、トリプルバリューさんのコンサルティングのもと、社内エンゲージメントを定量的に評価できるオンラインアンケート(エンゲージメントサーベイ)を導入しました。各エリアの従業員を対象に定期的に実施し、満足度やエンゲージメントをスコアで継続的に追いかけています。

――実際にスコアに変化は出てきていますか?

伊良波様:まだエリアによってばらつきがありますが、研修の効果もあって、この2年で一部のエリアでは1ポイント以上のエンゲージメントが向上しています。数字として変化が見えるのは、続けるモチベーションにもなりますね。

――サーベイの結果を、どのように活用されていますか?

伊良波様:スコアの低いエリアの社員の意見を丁寧に聞き、コミュニケーションを取ることで改善につなげています。感覚だけでなく数字で現状を把握できるので、「どこに手を打つか」の優先順位が明確になりました。山本先生にアンケートの設計からその後のアプローチ方法まで一貫してコンサルティングしていただいているので、結果を施策につなげやすいんです。

土井様:研修で「ほめること」の大切さを学んでから、日々のちょっとしたことでも積極的にほめるようにしました。サーベイを通じてそういった変化が数字でも確認できるのは、自分たちの取り組みへの自信にもなっています。

次のステージへ——管理会計研修で全員が経営視点を持つ組織へ

――4年間でマネジメントの基礎を積み上げてきた中で、今なぜ管理会計に取り組もうと思ったのでしょうか?

伊良波様:PDCAの回し方も、KPIの立て方も、報連相も、任せる力も——マネジメントの基本は身についてきた。次は「数字で経営を語れる組織」にしたいんです。課長や主任が、PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)を見て「このコストを削れば営業利益が改善する」「この投資は何ヶ月で回収できる」という会話ができるようになってほしい。そのために管理会計の研修を始めました。

――メンバーへの伝え方に工夫をされていると伺いました。

伊良波様:はい。最近メンバーにこう話しました。「会社のコストには3つある。家賃などの必要コスト、研修などの投資コスト、そして無駄なコスト。今みんなが受けているこの研修は、会社が稼いだお金で投資しているんだよね。でも、何も学ばなかったら、この投資は無駄なコストになってしまう」と。数字の話を自分ごとにしてもらうための働きかけです。

――土井さんは、管理会計研修にどんな期待を持っていますか?

土井様:PDCAもKPIも学んで、数字で目標を立てることはできるようになりました。でも、その数字が会社の経営にどう影響するのかまでは、まだ理解が浅い。PLやBSと繋げて理解することで、より経営者視点で動けるようになると思っています。メンバー全員が数字を根拠に会話できる組織にしたいんです。

最終ゴール「親族を紹介したくなる会社」へ

――今後、どんな組織にしていきたいとお考えですか?

伊良波様:私が退職するときまでに、3名でいいので「うちの子が卒業するので、麦飯石の水で面接させてください」と言ってくれる社員が出てほしい。自分の大切な子どもや親族を会社に紹介したいと思えるって、本当によっぽど会社が好きじゃないとできないことだと思うんです。

――そういう会社にするためには、何が大事だと感じていますか?

伊良波様朝起きて、会社に行くことが楽しみな人。仕事にやりがいを感じて、このメンバーで働けることに感謝している。そういう状態を作ることです。エンゲージメント調査でも、給与・休み・労働時間への不満よりも、やりがいや職場の関係性への満足が上位に来ています。「給与や休みだけが定着のカギではない」と気づかせてくれたのが、山本先生でした。

――最後に、トリプルバリューへの期待を聞かせてください。

伊良波様:山本先生と話すと、いつもワクワクするんです。問題があって苦しいときに、必ず3つくらいの解決の道を示してくれる。「このドアを開いたら、こういう道があります」と。我々が感じている壁を、ワクワクに変えてくれる。それを、これからも続けてほしいですね。


今回のインタビューを通じて感じたのは、麦飯石の水様の皆さんの「素直さ」と「実直さ」です。読書感想文すら提出できなかった状態から始まり、一つひとつの研修を愚直に現場で実践し、4年間積み重ねてきた。それが今の組織の姿につながっています。
研修はあくまできっかけにすぎません。伊良波様・土井様・石川様が、学んだことを自分ごととして捉え、諦めずに行動し続けてくださったからこそ、今の変化があると私たちは感じています。
「一つも損したことがないんです。百の知識をもらっても生かしきれなかったこともあった。でも、百の知識を得ているんです」
この伊良波様の言葉に、麦飯石の水様の姿勢がすべて表れていると思います。これからも、皆さんの挑戦に寄り添い続けられれば幸いです。

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