この記事では、エンゲージメントカードをプレイした方々にエンゲージメントカードを利用して良かった点やプレイしたエピソードなどをまとめています。
今回のゲストは尾崎裕彦さんです!
本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
尾崎 裕彦 様 プロフィール
●2000年 医師免許取得し、小児科医として研修開始。小児神経疾患と発達障害について研修。
●2005年 平塚共済病院 小児科(医員・医長)心身症の漢方治療を開始し、発達外来を立ち上げる。
●2018年 心身障害児総合医療療育センター小児精神科(医長)
●2021年 きりんカームクリニック 開業
●新しくプロジェクトやチームをつくり、チームビルディングをしようと考えている方
●自分(の心)と向き合う時間がとれていない方
●頑張っている自分に感謝を感じて、明日の自分につなげていきたいと考えている方
そんな方に是非読んでいただきたいです。
①「エンゲージメントカードを購入したきっかけ」
本間理央
エンゲージメントカードを購入したきっかけを教えてください。
今年の6月にきりんカームクリニックを開業しました。はじめて顔合わせをするメンバーがチームをつくるうえで、大切なこととして二つあると考えました。一つ目は早い段階で相互理解が進むこと。二つ目は、共通の言語ができることです。エンゲージメントカードはチームづくりに役立てると思い購入しました。
他の商品になりますが、「人生の最期にどう在りたいか」ということを考える「もしバナ」というカードがあります。日本人は終末期医療の話題をタブーとしがちですが、そのカードを使うことで、難しい話題を考えたり話し合うことができ、お互いに理解し合えるのです。きちんと言葉にしておくと、いざというときの判断がしやすくなります。
チームづくりにおいても、個人の価値観を言語化し、チーム全員で共有することが大切だと思いました。
本間理央
はじめて顔合わせするメンバーで、どのようにエンゲージメントカードを使われたのですか?
4人ずつに分かれて、3チームで使いました。
個人が選んだ7枚のカード(価値観)をチームの価値観に統合することで、それぞれのチームカラーがみえてきました。そして、さらに3チームの7枚を統合することで、全員で共通の言葉をつくることができました。
本間理央
全員の7枚を決めるときに、どのようなセッションや対話があったのですか?
正直、全員でチームの言葉をつくるのは大変なところがありました。煮詰まることや、紛糾する場面もあったように思います。
本間理央
紛糾するということは、全員が本気で向き合ったということでしょうね。
7枚のカードが決まったとき、尾崎さんはどんなことを感じましたか?
どのカード(価値観)も重要なものだったので、どのカードが選ばれても受け入れることはできると思っていました。実際にその言葉を見たとき、皆にとって重要だと思っている言葉そのものを素直に受け止めることができました。
本間理央
自分たちで考え、苦労してできた言葉には想いが込められますね。
どんな言葉ができたのですか?
「24のハーモニーを奏でよう」です。
メンバーが12人いたので、24の瞳にかけてできたテーマですが、様々な意味を込めて「24」という数字に表現されています。
スタッフのネームプレートには統合したテーマやチームの言葉が印刷されています。
本間理央
皆で考えた「自分たちの言葉」は一体感を生みますね。
②「相互理解に役立つツール」
本間理央
認定ファシリテーターにご登録いただいたきっかけとして、「スタッフが生き生きとやりがいをもって働けるようにカードを上手に取り入れたい」と考えていることをお聞きいたしました。
エンゲージメントカードを定期的に使うことで、お互いの意思疎通を再確認できると考えています。
人はそれぞれ生きている背景が違うので、同じ言葉を使っていてもニュアンスが違うと思います。また、職種が違うと文化も違うことがあります。クリニック内でも医療職と事務職でもカラーが違います。
その違いをすり合わせて、お互いを理解することに、このツールは非常に役立つと思います。
本間理央
医療従事者は異なる専門性を持った職種が集まり、一人の患者さんに対し、多くの職種が関わりますね。多職種で連携をしながら共有した目標に向けてともに働くということは、コミュニケーションが大切になりそうですね。
お互いの理解を深めるために親睦会なども考えましたが、コロナ禍でできる状況ではありませんでした。このエンゲージメントカードであれば、職場でもできますし、より深く、相互理解ができると思います。
実際にエンゲージメントカードをしたメンバーの中に、「自分自身の振り返りを考えすぎて、帰宅後にぐったりした」という方がいらっしゃいました。
それぐらい、取り組む皆が真剣に考えてくれましたし、誰一人やらされ感がなく、真面目に深く考えていた印象があります。
③「今1枚カードを選ぶとしたら?」
本間理央
今一枚カードを選ぶとした何を選びますか?
今、パッと閃いたのは「余裕」です。
余裕というカードはないですね(笑)
「冷静さ」を選びます。
本間理央
余裕がない自分はどんなふうに見えますか?
余裕がないと、相手とちゃんと向き合う冷静さが保てないです。
相手のことをちゃんと見ることができない自分がいます。
本間理央
相手としっかりと関わるには「冷静さ」が必要だと思われているのですね。
患者さんの声を聴くときは、自分のフィルターを通して認知することになるので、そのフィルターが濁っていると間違った情報を取り込んでしまいます。そのためには冷静さを持ち、いかにクリアなフィルターでい続けられるかということが課題になっています。
本間理央
自分に冷静さが足りていないと思うとき、どのように転換するのですか?
とても難しいことだけど、イメージとしては、全ての持ち物を一旦手放すことが必要だと思います。余計なものを抱えすぎて苦しんでいるということになるので、手放すことができたら、身軽になれると思います。思考にも余裕が生まれます。
無の状態になれたらいいと思うのですが、永遠の課題ですね。
④「大切にしている価値観を通じてどんな自分で在りたいか」
本間理央
大切にしている価値観を通して、どんな自分で在りたいと思いますか?
一言でいうと、「自分の成長」です。それは、私自身の人生のテーマです。自分の成長や、そのプロセスを通して、子どもや患者さんにフィードバックしていきたいと考えています。
⑤「自分を褒めるということ」
本間理央
日頃、患者様や子どもたち、そのご家族に感じていることがあれば、是非教えてください。
私は子どもを診ることが多いとはいえ、子どもを通して、家族全体と向き合うことが多いです。主に「お母さん」ということになりますが、特に日本ではお母さんという存在は家族全体を守る存在でもあるんですよね。家族や子どもを守っているお母さんをしっかりと支えなければいけないと思っています。
子どもを治療するとき、必ず、お母さんも治療することを念頭において向き合っています。
一方で、子どもに精神的なトラブルが出ているときって、お母さんのトラブルを子どもが代弁していることもあるんです。お母さんと子どもの相性というのを重視して向き合うことを大切にしています。
本間理央
尾崎さんの優しさが伝わってきました。
私も4歳の子どもがいますが、自分に言ってもらえている気持ちになりました。
子どもと向き合うときに、子どもを褒めなければいけない、褒めたほうがいいとよく言いますが、日本には褒める文化があまりないのです。親自身も褒められる経験がないなかで育ってきています。
日本のお母さんたちは、子どものために頑張って、旦那さんのために頑張って、家族全体のために頑張っている。自分のために頑張るということや、自分のために使う時間がないという生活をされていることが多く、一番つらい立場にいると思います。
どうか、お母さん自身が自分で自分のことを褒めて、自分のことを守るということを意識してほしいのです。
本間理央
褒められることについて考えたとき、自分で自分を認めたり、誰かに認めてもらえていることなのかと思いました。なんだか私も頑張れる気がしてきました。
当院が力を入れていることの一つに「ほめほめノート」というのがあります。
ただ、「自分をほめてください」と言ってもなかなか出来ることではないので、自分を深く知ってもらうことを目的に「ほめほめノート」を紹介しています。
自分を深く知るという視点において、エンゲージメントカードとリンクすることができたら、もっと素晴らしいものになると思います!
本間理央
多くの悩みを背負っているママたちが、明日からまた頑張ろうと思えるように、このような取組みを広めていくお手伝いができればと思いました。
尾崎さん、今回はありがとうございます。これからも『もっとワクワークする世の中』に向けて私たちと一緒に、1人でもワクワークする人を増やしていきましょう!これからもよろしくお願いします!